2月2日付電子版tout sur l’Algerieが伝えているところによると、ソナトラック(Sonatrach注:アルジェリア最大の石油・天然ガス企業で、アフリカで最大企業の一つ)の要請により、複数の国営銀行が、ソナトラックが実施を計画している11の石油化学プロジェクトに対して資金提供する。
ソナトラックに近い筋によると、国営銀行による融資は、ソナトラックの石油化学プロジェクト実施に必要な出資総額200億ドルのうち、120億ドルに達する模様である。これらのプロジェクトは外国企業との共同出資(ソナトラック51%、外国企業49%)により実施され、不足資金は外国企業が補うこととなる。
ソナトラックは既に3つの契約を外国企業との間で締結した。
@オラン近郊のアルズー工業地帯で、国際コンソーシアム(三井物産、クウェイトQurain、ドイツLurgi、タイPPSL、アルジェリアSonatrach)によって進められる10億ドルのメタノールプラントの建設。
AフランスTotalが同じ工業地帯で30億ドルの蒸留分解によるエタノールプラント建設を内容とする契約。
B14.6億ドルでエジプトのオラスコムと締結された、同じくアルズーでのアンモニア製造プラント建設。
同筋によると、ソナトラックの決済銀行であるアルジェリア海外銀行(BEA)と国営貯蓄共済銀行(CNEP)は既にソナトラックのプロジェクトへの相当な金額の融資手続きを終わらせている。国内で最も資金力のある銀行の一つであるCNEPは、最初の融資部分である7億ユーロを承認する段階にある。
オブザーバーによれば、国営銀行に融資を求めることにより、ソナトラックは外国からの融資を求めなくとも良くなる。これはコストを減らすことができ、資金を効率的に運用できることから、アルジェリアの国営銀行にとっても有利となる。
<中東調査会かわら版2008年2月6日No.28より引用>