沙漠と聞けば渇き、焼けるような暑さ、灼熱の太陽を連想するかもしれない。 沙漠と聞けばまた、恐怖に駆られるかもしれない。しかし沙漠は連想させるものと相反するものである。 それは、サハラの心地よさと平安を味わった者にはきっとわかるだろう。 恐ろしいといわれるこの地に長く住んだ私は、沙漠が見せる美しい瞬間をカメラに収めることで永遠のものにしようとした。 自分の中で何が起こっているのかも分からないまま、眼に入る見事な風景にいちいち目を見開いた。自らの心を覆っている沙漠の奥底で大小なりともすべての要素がさざめいていた。 だから沙漠は不思議だ。 ここにいると、沈黙に耳を傾けてしまう。 ここにいると、心地よさに触れてしまう。 ここにいると、愛と献身に生きてしまう。 時が形状と戯れ、風景と心が刻々とその変化についていく。驚きであり、不思議である。 物理学者である私は、光の反射が何故に沙漠や私たちにこれほどの影響を与えるのか理解しようとした。世界の著作に現れる断片がその最も美しい証言として残っている。 |
作者紹介:
Farida Sellal ファリダ・セラル
1970年代より郵便通信局の地域担当者として、アルジェリア大南部の通信網を確立させ、人々のコミュニケーションに大きく貢献している。
この経験がサハラの夢幻的な風景を発見するきっかけとなり、以来不滅のものにしようと写真に収めてきた。
その後、研究を続け、国内の各大学で助手としてマイクロエレクトロニクスの授業を担当。大学で観察の目とさまざまな資材の知識を身につけた彼女が、それらを自分の感性と組み合わせることによって、芸術に磨きをかけたのはいうまでもない。
絵画、写真、執筆が一体化されて独特の表現法を生み出している。
数々の写真や絵画展に参加。
著作:
「ファレス」はエナグ社で出版。「サハラの静寂」は処女作の作品集である。
講演会:
* 「静寂の邦、サハラ」 9月23日(土)14:00〜15:30 小講堂
* 「沙漠の音楽」 9月30日(土)14:00〜15:30 小講堂
開催日 | 2006年9月17日(日)〜 10月1日(日) |
開催場所 | 中近東文化センター |
住所 | 〒181-0015東京都三鷹市大沢3−10−31 |
交通 | * JR中央線武蔵境駅南口より小田急バス10分西野下車[のりば2.国際基督教大学行 (境93)3.狛江駅・狛江営業所行(境91)4.吉祥寺駅行(吉01)] * JR中央線三鷹駅南口より小田急バス15分西野下車[のりば3.調布駅北口行(鷹51) 武蔵小金井駅行(鷹51)国際基督教大学行(鷹51)] * 小田急線狛江駅より小田急バス35分西野下車[のりば2.武蔵境駅南口行(境91)] * 京王線調布駅北口より小田急バス20分西野下車[のりば11.武蔵境駅南口行(境91)三鷹行(鷹51)] * 車調布IC立川方面出口より上石原交差点右折、天文台通り |
Tel | 0422−32−7111 |
Fax | 0422−31−9453 |
休館日 | 月・木曜日(休日は開館:振り替え休日なし) |
開館時間 | 10:00〜17:00(入館は16:30まで) |
主催 | アルジェリア大使館 |
協力 | 中近東文化センター 三鷹市 武蔵野市 日本経済新聞社 日本・アルジェリアセンター |