3月24日から31日まで、国立行政学院(ENA)の学生10名が外務省の招待を受け来日した。
女子8名、男子2名計10名の代表団は大阪、京都、神戸そして広島を訪れ、市政、環境、防災、ハイテク先端産業、など、幅広い分野にまたがったプログラムをこなした。
広島では1945年8月6日に投下された原爆の被害の様子を被害者から直接聴き、広島市民の平和と友愛に対する熱意を知った。 日本料理の他にも日本人の日常生活をいろいろ体験し、特に築地の魚市場の見学は忘れがたいものであった。
天皇家ゆかりの地、京都ではその奥深い芸術、文化の過去に触れ、本年7月にアルジェリア公演を予定している「菊の会」の伝統舞踊のすばらしさを堪能した。
その他にも、公共放送のNHK本社や外務省も訪れた。外務省では日本の若い外交官とフランス語とアラビア語の二班に分かれて意見交換を行い、お互い経験談を話し合う有意義な時間を持った。
在京アルジェリア大使館では代表団のために大使が昼食会を主催し、日ア関係についてブリーフィングの後に今後の展開に関しても説明をした。
アルジェリア大使館にて 昼食会
滞在期間中、アルジェリアとの友好関係に貢献している人にも会った。中でもフォガラの水路システムの研究で著名な日本・アルジェリアセンター代表で国連大学長特別顧問の小堀巌教授は同大学に代表団を迎えた。学生たちは「人権と倫理」研究部長のマーティナ・ティマーマン博士から、国連大学の活動、特に平和とガバナンスプログラムについて説明を受けた。
また、国連プロジェクト・サービス機関の小野京子東京事務所代表からはスーダンに於ける国連の活動について滞在の経験談を交えながら話を伺った。質疑応答の後、意見交換も行われ、大変興味深い会合であり、学生達は小堀夫人による茶の湯のセレモニーも体験できた。
国連大学にて 茶の湯セレモニー
日本アルジェリア友好協会の福田邦夫明治大学教授とも会食し、独立直後からの日ア関係に関する話も伺った。
滞在期間中、学生達は一貫して真摯で勉強熱心な態度で臨み、日本各地で受けた暖かいもてなしに甚く感銘した。感想を聞かれると日本国民の優しさ、民度の高さに驚き、基本的な個性を保ちながら新しいことに取り組んでいく姿勢と実績に敬意を表した。
学生達にとって忘れがたい思い出となった今回の滞在について全員が、実のある経験が得られたと感想を述べ、帰国したら、日本とそのすばらしい発展について、より多くの人に話して聞かせたいとの抱負を述べた。
今後、既に良い関係にある日・ア両国の繋がりがさらに深く、強靭になるよう今回の訪日の成果を期待したい。