5月4日投票が行われたアルジェリア国民議会(下院)選挙に関し、5月5日夕方、ベドゥイ(Bedoui)内務大臣は記者会見で暫定結果を明らかにした。それによると、連立与党のFLN(民族解放戦線)とRND(民主国民連合)が、それぞれ164議席と97議席を獲得、合計で261議席と議員定数462の過半数を制した。概ね事前の予想通り与党過半数維持の結果となった。前回2012年との比では、ブーテフリカ大統領が党首を務めるFLNは51議席減と大きく後退、一方、大統領府官房長で元首相のウーヤヒヤ氏のRNDは27議席増と勢力を伸ばした。
三番目の勢力となったのは、イスラム系のHMS(MSP「平和のための社会連合」他の連合体)で33議席を獲得。その他のイスラム系勢力では、Nahda-Adala-Bina(「ナフダ運動」他の連合体)が15議席(第6位)、このほど新しく結成されたTAJ(アルジェリアの希望連合)が19議席(第5位)を獲得した。連立与党による体制維持の予想の下、有権者の間で体制に対する倦怠感が高まったにも拘わらず、イスラム系諸政党は今一歩の政党間協力を進めることができず、獲得議席の合計は67議席となり、前回比で7議席増の微増に留まった。世俗系の野党勢力では、古参のカビリー系のFFS(社会主義勢力戦線)や左派のPT(労働者党)は、いずれも議席を減らしている(それぞれ7議席減と6議席減)。
今回の投票率は37.09%(国内38.25%、海外10.03%)で前回の42.90%を下回った。総票数6,514,282のうち白票は2,109,917で32.39%にも及んだ。中には半数以上が白票だった投票所もあったという。こうした中、独立系無所属の獲得議席は28(前回比9議席増)で、全体では与党二党、イスラム系HMSに次ぐ四番目の多さとなっている。
[出典:2017年5月5日〜6日アルジェリア国営通信APS・アルジェリア各紙・仏国各紙]
文責:大月 美恵子