アルジェリアで5月10日、国民議会(下院)の選挙が大きな混乱なく実施された。
昨年の中東民主化運動「アラブの春」を背景に、アルジェリアでも非常事態宣言の解除や政治改革(多数の新政党の結成、政党との対話、議席定数を389から462に増加、女性に議席の30%を配分等)が行われ、一連の民主化プロセスの中での選挙だった。
5月15日、憲法評議会が発表した選挙結果は以下の通り。
① 投票率:43.14% (2007年の前回選挙は35.65%)
② 各党獲得議席(定員462) : ( )は議会での議席占有率:
・FLN(アルジェリア民族解放戦線)221(48%)
・RND(民主国民連合)70(15%)
・AAV(緑のアルジェリア連合:MSP・Ennahda・El Islahのイスラム 3党共闘)47(10%)
・FFS(カビール政党)21(5%)
・無所属19(4%)
・PT(労働者党)17(4%)
・FNA(アルジェリア国民戦線)9(2%)
・その他の政党58(12%)
③ 462議席中145が女性議員(2007年は31議席)
④ 連立与党のFLNとRNDがそれぞれ221、70の計291議席を獲得して大勝。
一方、MSP(社会と平和のための運動)を中心とするイスラム3党のAAVは、現有の
59から47議席に減らした。
⑤ 今後の政治日程として、選挙結果を受けた内閣改造、今年11月の地方議会選挙、
来年にかけての憲法改正作業、2014年の大統領選挙などが予定されている。