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宇都宮徳馬先生を偲ぶ会

福田邦夫
アルジェリア協会事務局長

去る10月26日、キャピトル東急において昨年7月1日に他界された宇都宮徳馬氏を偲ぶ会が開催された。故人の幅広い交友関係を反映して出席者は、政界、官界、実業界、外交団、プレス等きわめて多岐にわたり、出席者総数は400名に及んだ。


最初に偲ぶ会発起人を代表して鯨岡兵輔元衆議院副議長の挨拶があった。次いで前外務大臣河野洋平氏が挨拶、外交団では武大偉駐日中国大使、催相龍駐日韓国大使、アマール・ベンジャマ駐日アルジェリア大使の挨拶があった。


以下、アマール・ベンジャマ駐日アルジェリア大使の挨拶を紹介する。なお、偲ぶ会には、アルジェリア関係では柿沢こうじ日本アルジェリア協会会長、渡辺伸前駐アルジェリア大使、福田邦夫協会事務局長等が参加した。
また、当日総560ページ、執筆者144名にわたる宇都宮徳馬追悼集が出席者に配布された。

”本日は偉大なる宇都宮徳馬先生を偲ぶ会にお招きいただきましたこと、またこの会を組織なさいました鯨岡兵輔先生をはじめ宇都宮軍縮研究所の皆さまにお礼申しあげます。


先ほどのお話にもありましたように宇都宮徳馬先生は、日本と中国、韓国との関係改善に多大の貢献をなさいましたことは周知の事実であります。しかしこの日本において宇都宮徳馬先生ほど日本とアルジェリアの関係を築くに当って多大の貢献をなさいました方は他にございません。


宇都宮徳馬先生は1955年、われわれが祖国の独立を目指して闘っていた時わが国を訪問されました。そして帰国されるや、元大蔵大臣の北村徳太郎先生、松田竹千代先生、淡徳三郎先生等とアルジェリア人の戦いを支えるために日本アルジェリア協会の前身である日本北アフリカ協会を設立されました。やがてアルジェリアは念願の独立を達成いたしましたが、独立戦争時から宇都宮徳馬先生の協力・支援を得ましたことの帰結として、今日における揺るがすことの出来ない友情が築かれたものと確信しております。  

 
独立戦争の最中、アルジェリア民族解放戦線(FLN)極東代表部が東京に開設されましたが、その際、宇都宮徳馬先生から惜しみない援助を受けました。現在日本アルジェリア協会が存続しているのも一重に宇都宮先生のご尽力の賜物と感謝申しあげております。


独立後も先生は足しげくアルジェリアを訪れられ、わが国と日本との間の相互信頼、友好関係を築かれ、日本の財界に対してもアルジェリアの重要性を認めるべく説得され努力をなさいました。


わたくしは日本に赴任して来たばかりでございますが、歴代駐日アラブ諸国大使、外交官は春が訪れ、桜の花が満開になる頃には、毎年必ず宇都宮先生のご自宅の庭園で観桜会に招かれたと聞いております。


宇都宮徳馬先生、アルジェリアは来年、独立40周年を迎えます。わたくしはこの場をお借りして、アルジェリア政府ならびにすべてのアルジェリア国民の名において宇都宮徳馬先生に心からのお礼を申し述べます。先生のご冥福を心からお祈り申しあげます。先生、安らかにお眠りください。有難うございました。”

ブメディエン大統領と1969年9月、アルジェにて