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当センター代表小堀巖先生(国連大学上席学術顧問)による
「サハラに学ぶ」講演と、ドキュメンタリーフィルム「インベルベルの日本人」上映

乾燥地研究の第一人者として国際的に著名な小堀巌先生の講演「サハラに学ぶ」ならびに、先生が主人公でご登場されるアルジェリア国プロコム・インターナショナル社製作ドキュメンタリーフィルム「インベルベルの日本人」の上映会が、2004年9月14日(火)日仏会館にて多くの来場者を迎え開催されました。

満員の会場内。小堀先生ともご懇意であられるアマールベンジャマ駐日アルジェリア大使よりご挨拶を頂きました。

第一部 講演 「サハラに学ぶ」 Lecons au Sahara
講師 小堀 巖氏(国際連合大学 上席学術顧問、当センター代表)



サハラ沙漠の研究やその魅力、アルジェリアの歴史、現状について幅広く、興味深いお話を聞くことができました。また、アルジェリアでのエピソードなど、笑い話も交えた楽しい講演でした。
下記(左)は先生の著書である「サハラ沙漠」。

(左)休憩時間中の会場の皆さんと交流。写真右側は柿沢元外務大臣(日本アルジェリア議員連盟会長)、中央は当センターホームページ編集長の渡辺真美氏。
(右)講演の後だけに、話に出てきたアルジェリアの地理が気になります。

第二部 ドキュメンタリー映画「インベルベルの日本人」上映

サハラ沙漠は世界で最も広大な沙漠である。しかし、この極度に乾燥した大地にも、そこかしこに緑を貯えたオアシスが点在し、人々が日々の生活を営んでいる。“インベルベル”はそうしたオアシスのひとつに冠せられた名前である。“イン”は土地の言葉で“泉”を意味し、“ベルベル”はその泉を開いた聖者の名と伝えられている。ここでは水源の開拓の歴史が、そのまま人々の生活の歴史であった。沙漠での生活は、水を求め維持するという行為に凝縮されているといっても過言ではない。
「インベルベルの日本人」は、そうした沙漠で水を得る技術、そして、そこに生きる人々に魅せられ、40年の歳月をかけて研究に打ち込んできた、一人の日本人地質学者の軌跡をたどった映画である。

“神は 水豊かな大地を作られた
そこで人が生きていくために
そして神はまた 沙漠を作られた
そこで人が その魂と向き合うために

〜沙漠の民トゥアレグ族に伝わる諺〜


アルジェリアでは「フォガラ」と呼ばれる地下水路の研究には、沙漠で生まれ育ち、自らもフォガラの水で菜園を営んでいるハジ氏との出会いと長年の友情、また地元の村人、周りで支える人々の協力が欠かせなかった。先生の、研究対象の事物に没入せず、それを取り込む自然環境、そしてそこで生きる人々への視線も忘れないという姿勢は、こうしたあまたの人々との交流と別れの中から生まれた。“疲れを知らない研究者”は未だ立ち止まることを知らないが、この研究に臨む姿勢は今後も変わることはないだろう。
原案・脚本:ナディア・シェラビ、総監督・編集:アリ・アイヤディ、監督(アルジェリアロケ):マレク・ラグーン、撮影:ナビ・メシュカル、スマイル・ラクダール、録音:ハミッド・オスマニ、写真:マディ・マンスーリ/2002年プロコム・インターナショナル製作■後援:日揮株式会社、トヨタ財団■協力:国際連合大学、在日アルジェリア大使館、在アルジェリア日本大使館、NHK、御宿役場、横浜市立青木小学校、東京大学
日本語字幕は当センターが作成いたしました。

 私にとって、この記録映画は、本当に思いもかけぬ贈り物であります。
ことは、1999年3月、治安情勢悪化による約7年の休止期間の後、久しぶりに同国の土を踏んだ際、現地紙が“40年もの間アルジェリア・サハラ沙漠に通い続けている物好きな日本人”を記事にしてくれたことに始まります。これにプロコム・インターナショナル社のシェラビ社長が興味を寄せてくれたのですが、奇しくも、同氏は、当時アルジェリア駐在であった渡辺大使夫妻の親しい友人、渡辺大使は私の仕事の良き理解者であり、以後話がとんとん拍子に進んで行きました。これは、まさに、一期一会の縁というものを感ぜずにいられません。アルジェリア・ロケに続き日本ロケとこなしていく中では、資金や機材の調達といった面で困難に突き当たることも無い訳ではありませんでしたが、両国の多くの機関・企業から援助の手を差し伸べていただいたおかげで、完成までたどり着くことができました。また、両国それぞれのロケ地において撮影に協力してくれた地元の方々にも、いくら感謝してもしきれません。
こうした意味で、私は、この映画はまさに“日本ーアルジェリア合作”であると考えております。

小堀 巖

主 催:(財)日仏会館、日仏協会
協 力:日仏地理学会、日仏理工科会、日仏工業技術会
後 援:日本-アルジェリアセンター、日揮(株)、トヨタ財団、アルジェリア大使館、国際連合大学、フランス大使館科学技術部

講師略歴
1924年生。東京大学理学部大学院修了。東京大学東洋文化研究所/理学部(1949−1985)、三重大学人文学部(1985−1987)、明治大学政経学部(1987−1995)で乾燥地域の水問題の研究と後進の育成に従事。その間、Michigan大学客員教授(1972)、パリ日本館館長(1982−1984)を務めた。1995年以降は国連大学本部で学術顧問として、主として環境問題(特に沙漠)を中心として国際的なNetwork作りの助言を行っている。例、UNESCOとのMarginal Dry Lands Project(→2007)、EUのFoggara Project(→2007)。大学外の活動として、日仏協会評議員(1976−2003)、日仏地理学会会長(1975―2000)、日本沙漠学会会長(1990−2000)、国際半乾燥熱帯作物研究所(インド、1976−1982)及び国際乾燥地域農業研究センター(シリア、1996−2002)の理事等を務めた。

2003年7月23日(水)夜11時 BS23でも放映されました。