このたび、大学図書出版から出版されました。本書は、日本からは遠いとされるアルジェリア、モロッコ、チュニジアの歴史、文化、政治を紹介したすぐれた入門書です。北アフリカを勉強しようとしている大学生、北アフリカを訪れる人にとっては欠かすことのできない貴重な資料でもあります。是非、ご講読をお薦めいたします。 |
第一線で活躍する研究者陣による本格的なマグリブ入門書!
遠いが、魅力に満ちたマグリブの世界がここにある!
マグリブとはアラビア語で西を指すが、東方のマシュリクに対して西アラブ諸国を総称する呼び名である。国名でいうと、西からモロッコ、アルジェリア、チュニジアの三か国のほか、モーリタニア、西サハラ、リビアを加えて論ずることがあるが、本書では主としてはじめの三か国を中心としている。
マグリブ諸国は、地中海をはさんで北方ヨーロッパ諸国、サハラ砂漠を隔てたブラック・アフリカ諸国、東方のアラブ・イスラーム諸国と、古代から密接な関係を維持してきた。
マグリブの歴史、環境と資源、人々の暮らしと文化、イスラームと人々の生き方、グローバル化の現在までを幅広く捉えて本格的なマグリブ入門書である。わが国の第一線で活躍するマグリブ研究者の寄稿により、日本から見たら遠い、けれども魅力に満ちたマグリブの世界がここに広がる!
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第1章 グローバル化の中のマグリブ地域 | 宮治一雄 |
第2章 マグリブの環境と資源 | 藤井宏志 |
第3章 マグリブの歴史 | |
I 先史時代の北アフリカ | 宮治美江子 |
II 地中海世界とマグリブ古代史 | 宮治一雄 |
III マグリブの中世の歴史 | 私市正年 |
IV 近代・現代(植民地時代) | |
1. アルジェリアの近現代 | 小山田紀子 |
2. チュニジアの近現代 | 渡邊 司 |
3. モロッコの近現代 | 中川 恵 |
V 独立以降のマグリブ三国 | |
1. 独立以降のアルジェリア(政治) | 渡邊 司 |
2. 独立後のアルジェリア経済 | 福田邦夫 |
3 独立後のチュニジア | 渡邊 司 |
4. モロッコの政治・経済 | 中川 恵 |
第4章 人々の暮らしと文化 | |
I 「伝統的な」暮らしと文化 | 宮治美江子 |
II 村の生活 | |
1. アルジェリア・アトラスの出稼ぎ村 | 宮治美江子 |
2. チュニジア・オアシス農村の暮らしとその変容 | 鷹木恵子 |
3. モロッコ、アトラスの村の生活の変容と住民の選択―村落開発NGO | 井家晴子 |
III マグリブの都市の暮らしと文化 | |
1. アラブ・ムスリム都市のモデルとしてのチュニス・メディナ | 宮治美江子 |
2. モロッコ・フェスの商業活動と都市建設 | 山田幸生 |
3. マグリブの音楽 | 粕谷裕己 |
IV 遊牧民の暮らしと現状(アルジェリアのトゥアレグ) | 茨木 透 |
第5章 イスラームと人々の生き方 | |
I イスラームとムスリムの生活サイクル | 佐藤健太郎 |
II イスラームと女性の地位 | 岩崎えり奈 |
III 聖者と聖者崇拝 | 私市正年 |
マグリブ三国の概要・年表 | 宮治一雄 |
あとがき | 宮治美江子 |