ニュース
アルジェリア国内ニュース
読み物
日本とアルジェリア
人物往来
出来事
私とアルジェリア
私と日本
紹介
論文
センター概要
アルジェリア大使館関連
アルジェリア関連リンク
お問合せ

ニュース

日本アルジェリア協会発足

3月27日、在日アルジェリア大使館において日本アルジェリア協会が設立された。
8名の発起人の呼びかけのもと、6ヶ月の準備を経て97名の個人と法人1社が会員となり新たなスタートをきった。発起人の代表で新協会会長の浦辺 彬氏の挨拶は以下のとおり。

 「ご出席の皆様、本日はご多忙のなか、日本アルジェリア協会の設立総会に出席いただき誠にありがとうございます。私、浦辺彬でございます。発起人一同に代わりましてご挨拶もうしあげます。
このたび発起人一同より日本アルジェリア協会への入会案内を差し上げましたところ、発起人の予想を超える97名もの個人および企業一社より入会の申し込みがありました。入会を申し込まれた方々のご賛同により、この設立総会が開催される運びとなりました。入会を申し込まれた方々に対し改めて御礼申しあげます。
  私がアルジェより帰国してから、ケトランジ大使より、日本アルジェリア協会の活動が動いていないのでこれを再開したいとのお話がなんどかございました。また、昨年には大使より協会の活動を早く再開するため、私がすぐにイニシャチブをとるようにとの強い働きかけがございました。私も微力ではありますがアルジェリアの友人としてお役に立てればと考えまして、昨年の9月より本日の設立総会を目指してケトランジ大使と2人3脚で走ってきたわけであります。
まず皆さまに申し上げておきたいのは、本日の設立総会の開催が可能になった背景には、ケトランジ大使の強い熱意と支援があったことであります。大使は発起人会の立ち上げから関与され、また大使自ら発起人となり発起人の準備会合にも全て参加されました。また皆様への入会案内状の発出など事務局の作業も全面的に大使館の協力を得ることができました。これまでの大使の強い熱意と支援に対しこの場で敬意 を表明したいと存じます。
  次に申し上げたいのは本日設立される協会は新しい団体であり文字通りゼロからスタートするということであります。
すでにご承知の方も多いと思いますが、日本アルジェリア協会の歴史は、1961年アルジェリアの独立を支援する目的で日本北アフリカ協会が創立されたことまでさかのぼります。この協会が二国間の友好親善の基礎を築きまして、1981年に日本アルジェリア協会と名前を改めたのであります。ところが、この日本アルジェリア協会は1989年以来アルジェリア情勢の急激な変化により事実上活動を停止したとのことであります。また、活動が停止したままほぼ20年もの月日が経過し、すでに事務局も閉鎖されているとのことで、現時点では協会の組織も事実上存在していないことが判明いたしました。
  伝統ある昔の協会も本日発足する新しい協会もアルジェリアとの友好親善という根本の精神は同じであります。従いまして、ケトランジ大使とも相談の上、発起人会としては新しく発足する団体に、同じ名称をつけることを提案するしだいであります。
  次に申し上げたいのは、本日の設立総会によりまして、ようやくアルジェリアについて、個人レベルで参加できる協会が設立されるということでございます。既に国会議員のレベルではアルジェリア側と日本側の双方に友好議員連盟が結成されております。また両国の経済界の間では経済合同委員会が設けられ、熱心な対話が続けられております。ところが、残念ながらこれまで長い間、個人レベルで参加できる協会は動いておりませんでした。私はアルジェリアこそ、個人レベルで活動できる協会が果たす役割は大きいと思います。アルジェリアについては、個人として長年アルジェリアとお付き合いを続ける「アルジェリア愛好者」がとても多いからであります。アルジェリアにつては「一度足を踏み入れると二度目がある」とか、「抜け出せなくなる」とかいわれます。実際、一度アルジェリアを訪問してその魅力に惹かれ、その後何度も訪問を繰り返す人は少なくありません。また駐在勤務も二度三度と繰り返す方々が大変多いのであります。
  ところが、これまでアルジェリアの愛好者は、ばらばらで例えば同じ時期にアルジェに勤務していた方々の間でもお互いに連絡先を把握したり、消息を確認することは難しい状況にありました。今後はアルジェリアとの絆を維持したいと思う方、または自分からアルジェリア関係者に発信したいと思う方には協会の場を活用いただければ幸いであります。もちろんアルジェリアに関心をもち始めたばかりの新しいアルジェリアの友人の入会も大歓迎であります。最近両国間の人の往来は頻繁になっておりますので、アルジェリアの新しい友人も増えているはずであります。
  また、アルジェリアの愛好者の間には特別の連帯感のようなものがございます。私もアルジェリアの愛好者とは初対面でも、特別な親近感を感じて話がはずむのであります。今後協会の集まりを通じて、会員個人の間のこの連帯感が強められまた網の目のように広がることを期待しております。
  ほとんど最後になりましたが、新しい協会の活動に触れたいと思います。発起人会としては会員の皆様の要望に沿った気軽な集まりを企画して行きたいと考えております。協会の集まりに出るとアルジェリア愛好者の仲間と親睦を深めることができる。またときには協会の集まりで最近のアルジェの様子を知ることができる。ときには文化や学術の面でアルジェリアの魅力を再発見できる会合がある。発起人会としては今後はこのような活動を目指したいと考えております。いずれにしましても、楽しい集まりをあまりお金をかけずに実施できるよう工夫していきたいと存じます。会員の皆様よりもご意見ご提案をお寄せいただければ幸いであります。
  最後の最後になりましたが、発起人を紹介させていただきます。発起人一同は昨年より数回会合を開き、本日の設立総会を一緒に準備して参りました。
  まずケトランジ大使ですが、皆様ご存じですので、紹介不要かと存じます。ABC順により円福静雄氏。2度アルジェ勤務。2度目は2004年まで三井物産のアルジェ支店長、現在も毎日ルムジャヒッドとEL Watanを読むアルジェリア通。アルジェでの単身赴任生活を経験して帰国した元アルジェ駐在員有志の間でClub Des Pinと称する懇親会を立ち上げ、その幹事役をつとめております。
  小堀巌氏、1961年以来Foggaraの研究でサハラ砂漠の奥地を駆け巡っているアルジェリア愛好者の草分け的存在であります。そのアルジェリアとの交流はインベルベルの日本人と題する美しい映画になってアルジェリア、我が国およびフランスにて放映されました。本年も5月インベルベル訪問予定で沢山のサハラ砂漠の住民が小堀氏の来訪を待ち望んでいると聞いております。
  小野照政氏アルジェアに強い日揮の幹部の中でも飛びぬけたアルジェリア通。アルズーの第二プロジェクト以来日揮の全プロジェクトに関与。日本からアルジェへの出張回数は200回とも300回ともいわれ200回を超えてからその回数はわからなくなったとのことであります。
  渡辺真美氏、元駐アルジェリア大使故渡辺伸氏の夫人。仏語スペイン語英語を話すQuadrilingualでアルジェリアに沢山の友人がおります。渡辺大使が亡くなられたのち渡辺大使の設立した日本アルジェリアセンターを続けることに尽力しております。
  山口哲朗氏、伊藤忠にて1976年以降切れ目なくアルジェリア担当。長期出張を入れて3回アルジェに駐在したアルジェリアの愛好者であります。2002年までの4年間アルジェ支店長、またこの間アルジェリア日本人会がパリに退避していた時期をふくめ日本人会会長を務めておりました。
  仮議長を務めている福田邦夫氏。1971年アルジェリアを研究する学生としてアルジェリアを訪問以来アルジェリアの研究者。アルジェリアに関する著書多く、また昔の伝統ある日本アルジェリア協会にて専務理事を務めておりました。
  発起人は以上私を加え計8名であります。
以上をもちまして私のあいさつをおわります。」

 設立総会終了後、シド アリ ケトランジ駐日アルジェリア大使が当協会名誉会長としてお祝いのスピーチを述べた。 その中で大使は出席した大勢の新会員を歓迎し、アルジェリア独立運動を支援した、宇都宮徳磨氏が1961年に設立した「日本北アフリカ協会」の果たした役割を称え、それ以降も日本アルジェリア友好議員連盟、日本アルジェリア経済合同委員会など、日本とアルジェリアの友好関係に寄与してきた組織、古くからアルジェリアに好意を寄せる「アルジェリアの友人達」に感謝の意を表した。 
乾杯の後、アルジェリア音楽が奏でられる中、クスクスをはじめ、数々のアルジェリア料理、そしてワインを味わいながら遅くまで楽しい語らいが続いた。
  協会設立のニュースは直ちに外電でアルジェリアに伝わり、4月2日付の「エル・ムジャーヒッド」紙に取り上げられた。
http://www.elmoudjahid.com/accueil/cooperation/30529.html